減価償却費計上の注意点

パソコンなどの資産は、通常時間が経つにつれて価値が減少していく。このような資産(固定資産)を購入した場合、その金額を決められた耐用年数に応じて費用計上していく会計処理が減価償却だ。将来融資を受ける可能性がある場合、減価償却の内容によっては融資を受けられない可能性が出てくるので注意が必要だ。

利益を増やすには収入を増やすか支出を減らすかのいずれかが必要になるが、法人では支出を減らす方法のひとつとして減価償却を計上しないという方法が取られることがある。例えば、減価償却費を計上してしまうと赤字になってしまう場合に、先送りにして黒字決算にするケースなどだ。これは減価償却費を必ず計上しなければならないという法律がないために(法律上は)可能となっている方法である。

では銀行から融資を受ける場合、減価償却費はどのように見られているのか。融資において最も重視されるのは決算書の内容だと言われている。仮に赤字決算であればマイナスポイントになるのは言うまでもない。この点が、前述の例のように減価償却費計上の先送りをする根拠のひとつになっていると考えられる。

銀行が決算書の内容から見ているのは、返済能力があるかどうか。その判断において重要なのが返済原資(税引き後当期利益に減価償却費を加算したもの)である。つまり、融資の審査において減価償却費が重要な要素であることがわかる。

では、減価償却費を先送りした場合、銀行はどう判断するか。もちろんケースによって異なると思われるが、一般的には不利に働くことが多い。減価償却費の先送りは法律上は問題ないとはいえ、その行為は粉飾決算であるからだ。

むしろ、単期の赤字決済ならきちんと減価償却費を計上した方がよい。なぜなら、赤字決算であっても黒字転換できることを証明できれば多くの場合融資の審査が通るからだ(ただし、2期以上赤字決算が続いた場合通らない可能性が高くなる)。

 

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