MSCステータスはIT企業の切り札に
ここ数年でIT起業する日本人が増えています。
それはマルチメディアスーパーコリドーステータス(MSCステータス)を活用すれば、マレーシアでの就労ビザ取得がとても楽になるからです。
注意したい点は、MSCステータスはIT産業にしか現時点では適用されない点です。本業がIT産業でない場合は2種類の決算書を当局に提出しなけばいけません。
しかし、自社のITビジネスをマレーシアで立ち上げると考えれば、MSCステータスの魅力がさらに増すことになります。
外資100%でもMSCステータスの申請が可能だからです。
法人税免除期間が10年の長期に及ぶほか、就労ビザ取得に大きな力を発揮してくれるところです。
物価は日本やシンガポールと比較的安いと言えます。
海外でITビジネスの経験を積みたいと考えている若い労働力を日本から呼び寄せることができることが最大のメリットではないかと思います。
もちろん、MSCステータスの取得にはハードルがあります。
申請期間も3ヶ月から1年に及ぶこともありますし、申請書類も膨大です。
MSCステータスを取得した暁には政府指定の場所にオフィスを引っ越す必要もあります。
人件費はともかく、居住費は今やマレーシアでも無視できないコストとなるデメリットがあるのも確かです。
四半期毎に財務報告をしなければならないことも間接コストとしてのしかかってきます。
しかし、すべての外国人にビザの発給が物理的には可能になるので、マレーシア人より、人件費が抑えられるミャンマーやインドネシア、ネパールなどの国からIT産業に挑戦したい人材を発掘する手段ともなっています。