ビジネスオーナーが入手すべき政府の政策と富裕層マーケティング(経済産業省事例)

経済産業省は2019年、プロデューサーを活用して地域のブランディングやインバウンドを中心とした海外需要獲得を目指す地域の中小企業を支援する「ローカルクールジャパン推進事業」を実施しました。日本の技術や生活文化の特色を生かした魅力ある商材を有する企業と、その土地の地域活性を両面で支援するため、経費の一部を補助するとともに、イベント等の開催や支援プロジェクト地域への積極的誘導を行うなどの取り組みを行うというものです。

このローカルクールジャパン推進事業の基盤となる取り組みである政府のクールシャパンの推進政策は、2010年6月から始動しました。2007年の第一次安倍政権で「感性価値創造イニシアティブ」が策定され、日本ブランドの価値を高める方針が固まり、経済産業省に「クール・ジャパン海外戦略室」が創設されたことが始まりです。昨今、日本のサブカルチャーや伝統文化、技術、日本食などは、海外から大きな興味関心をもって注目されています。そのような日本の魅力ある土地・商材・サービスへの認知を深め、外国人観光客の国内消費の促進につなげたいという狙いから、国を挙げてのブランディング・情報発信が開始されました。日本の持つものそのものの良さを発信することに加え、資源の再発見を行うことで海外成長を見込んだ大きな可能性を地域に生むことができます。より上質な商材となるよう手を加え価値を高め、地域の魅力をプロデュースできるよう、政策・事業の連携を数多く打ち出してきました。そしてそれは「クールジャパン」という名前のブランドとともに年々その存在感を増し、近年では企業と国が協力する官民一体の経済政策として発展を遂げています。

ローカルクールジャパン事業においても、日本らしい商材やサービスを有する中小企業等が、海外のライフスタイルやニーズ等に詳しい外部人材の活用により行う海外需要獲得に向けたプロデュース活動や、インバウンド需要のためのプロデュース活動、デジタル技術等を活用し訪日観光客の消費を促進するような環境整備などを促進させ、訪日観光客がより広く日本の土地を知り、質の高いサービスを受けられるような取り組みを実施しました。

ローカルクールジャパンの実際の政策が開始される前に、外部の有識者を集めた「インバウンド起点のクールジャパン政策研究会」が行われ、現状と課題の把握や、そこから見えてくる政策の内容について、議論が交わされました。当社からも代表取締役社長の増渕が出席し、専門分野であります富裕層、特に訪日富裕層外国人が持つニーズのなど、プレゼンテーションを行い、ブランディングの方向性などについて検討いたしました。公募期間は2019年5月7日からの1か月間と短かったものの22件の応募が寄せられ、有識者により事業計画の具体性や市場競争力、プロデューサー活用の有効性等の観点から審査を行い、5件のプロジェクトが採択されました。弊社は、その後の政策実行にも携わらせていただき、兵庫県豊岡市・城崎温泉の海外需要獲得を目指す地域企業や団体のお手伝いをさせていただきました。

アニメやマンガだけでなく、スクランブル交差点や古びた路地裏の風景など、外国には見られない独自の日本の景観などもクールジャパンと認識されるほど、世界での日本に対する意識の高まりは年々加速し、その興味の対象もより幅広くなってきています。東京オリンピックでは、海外の選手が日本のコンビニおにぎりのフィルムについてSNSに投稿し、話題になったことは皆様の記憶にも新しいことと思います。そのような海外の関心の高さは、訪日外国人観光客の推移にも数字として表れており、新型コロナウイルス感染症蔓延以前は年々増加の一途をたどっていました。国と国の行き来が難しくなった今でも訪日のニーズは高く、今後のウィズ・コロナ時代においても訪日インバウンドは大きな可能性を秘めています。日本国内のみならず、海外からの観光客の旅行満足度を高め、観光産業を軸とした国際競争力のさらなる上昇をねらい、前述したローカルクールジャパン推進事業もさらに進化していくことでしょう。

政策について、そしてそれにともなう有識者会議の実行については、政府がオープン情報として一般に公開しているものです。しかし、応募期間の短さなども相まって、これらの情報が広く認知されているかと言われれば必ずしもそうではない現状もあります。このような情報を利用するべき対象が受け取りやすくなるべく、ルートアンドパートナーズでは「政策情報の定期的なリスティングサービス」の普及に乗り出しました。国の政策を議論段階からフォローし定期的にリスティングするというもので、国税を投じて実施される事業を積極的に企業活動に生かしていただき、少しでも政策にかかわる方々を多くし、機会損失のないような環境を作ろうという試みです。これらの情報を日々収集することは、資本主義や民主主義、あるいは国の動き方を知る上でも、今後ビジネスパーソン、特にビジネスオーナーに必要とされる思考回路であり、多くの方々に積極的に取り入れていただきたいと思っています。情報取得のhow toやビジネスマインドを醸成していくためのセミナーの開催も随時企画しております。個別のお知らせになりますので、セミナー参加希望者はこちらにお問い合わせください。

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