日本政府は、創薬分野のスタートアップ企業(創薬ベンチャー)を支援するために「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」を実施しています。この事業は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が補助金を交付し、認定ベンチャーキャピタル(VC)と連携して、創薬ベンチャーの医薬品実用化開発を支援するものです。
事業の概要
「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」は、創薬に特化したハンズオンによる事業化サポートを提供する認定VCが、補助対象経費の1/3以上を出資することを要件としています。この事業により、非臨床試験、第1相臨床試験、第2相臨床試験、探索的臨床試験の各開発段階にある創薬ベンチャーが実用化開発を行うための支援を受けることができます。
● 予算額: 3,500億円
● 支援対象: 起業家・経営者、投資家、従業員、事業会社、その他
● 支援ステージ: シード、アーリー、ミドル、レイター、その他
● 問い合わせ先: 商務・サービスグループ 生物化学産業課 / AMED 実用化推進部
支援のスキームと要件
1. 認定VCの役割
○ 認定VCは、創薬ベンチャーに対してハンズオン支援を行い、補助対象経費の1/3以上を出資します。
2. 支援対象の開発段階
○ 非臨床試験、第1相臨床試験、第2相臨床試験、探索的臨床試験
3. 補助金の交付
○ 国(AMED)が創薬ベンチャーに対して補助金を交付し、実用化開発を支援します。
実績とアピールポイント
● 過去の公募実績
○ 第1回公募: 23社採択(令和5年8月)
○ 第2回公募: 17社採択(令和5年12月)
○ 第3回公募: 15社採択(令和6年3月)
○ 第4回公募: 審査中
● 創薬ベンチャーの支援
○ 創薬ベンチャーは過去3回の公募で11社が採択されており、現在第4回公募の審査が行われています。
○ 認定VCは過去3回の公募で23社が採択され、今後も年数回・定期的に公募が実施される予定です。
まとめ
創薬ベンチャーエコシステム強化事業は、日本の創薬分野のスタートアップ企業が医薬品の実用化開発を進めるための重要な支援策です。国(AMED)と認定VCが連携し、創薬ベンチャーに対してハンズオン支援と補助金の交付を行うことで、非臨床試験や臨床試験の各段階における開発を促進します。この事業により、日本の創薬ベンチャーエコシステムが強化され、革新的な医薬品の開発と商業化が期待されています。