損金とは簡単に言えば費用の一部で、法人税を軽減できることから、経営者にとって無視できないもののひとつです。ただ、損金と一口に言っても法人保険や交際費など種類も様々で、全額損金や1/2損金など割合も様々です。
保険の種類にもよりますが、全額損金できるものに法人保険があります。文字通り全額損金タイプの法人保険の場合、支払った保険料の全額を損金として計上することができます。冒頭でも触れた通り、損金は法人税を軽減できるもののひとつであるため、その額が多い方がよいと思われがちですが、実際はそうとも限りません。会社の状況によっては、1/2損金タイプや1/3損金タイプの法人保険の方がいい場合があります。
前述の通り、全額損金タイプの法人保険の場合、支払った保険料は全額損金として計上が可能です。ただし、解約返戻金は全額雑収入として計上されるため、解約返戻金をキャッシュアウトするようなものがないと、解約返戻金の分だけ多くの法人税を支払うことになります。
つまり、全額損金タイプの法人保険が適しているケースのひとつは、退職金の払い出しや設備投資など、解約返戻金をキャッシュアウトすることが想定されている場合です。
例えば、代表的な全額損金タイプの法人保険として「全額損金定期保険」があります。これは、同じような内容の保険である「長期平準定期保険」などに比べて返戻率が低い反面、返戻率が最も高いピーク期間が比較的長いという特徴があります。そのため、設備投資などの計画を比較的フレキシブルに進めることができます。
全額損金タイプの法人保険を活用する場合は、単に損金として計上できる金額が多いからという理由だけで決めるのではなく、解約返戻金の活用先まで見据えて計画を考えることが重要です。