ローカル10,000プロジェクトの概要と取り組み

ローカル10,000プロジェクトの概要と取り組み

ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金)は、地域の産学金官の連携により、地域の資源と資金を活用して新たなビジネスを立ち上げ、地域に雇用を生み出すことを目的としています。このプロジェクトは、民間事業者、国、地方が一体となって地域経済の循環を促進する取り組みです。

プロジェクトの特徴と対象
ローカル10,000プロジェクトの対象となるのは、地域密着型の事業です。この事業は、その土地の資源と資金を活用して、地域に雇用を生み出すものである必要があります。具体的には、以下の条件を満たす事業が対象となります:
● 地域資源の活用
● 公共的な課題の解決
● 新規事業の立ち上げ
● モデル性
● 地域の新たな雇用創出

プロジェクトの申請手続き
ローカル10,000プロジェクトに申請するためには、まず地方自治体を通じて総務省に申請する必要があります。申請には、地域金融機関からの融資が条件となります。具体的な手続きは以下のとおりです:
1. 事業の発案:事業者や地方自治体が地域の活性化に資する事業を発案し、事業計画の素案を作成します。
2. 事業計画書の作成:事業計画書を作成し、地域経済への貢献度や持続可能性などを勘案して審査のポイントを整理します。
3. 交付申請:地方自治体から総務省に交付申請を行い、外部有識者が審査を行います。
4. 交付決定:総務省が交付を決定し、地方自治体に通知します。
5. 事業開始:総務省および地方自治体の交付決定後、事業を開始します。

具体的な事例
ローカル10,000プロジェクトの具体的な事例として以下のものがあります:
1. どぶろく醸造事業(長野県佐久市望月地区)
○ 事業内容:工場跡地をリフォームし、薪ボイラーを整備してエネルギー源とするなど、自然素材を活用したどぶろく製造を行う。
○ 目的:地域資源と自然エネルギーを活用して、持続可能な循環システムを構築し、地域の賑わいを創出する。
2. 織物産業の復興事業(山梨県都留市)
○ 事業内容:古民家を改修して織物製作を中心としたコワーキングスペースや郡内織の製造・販売・人材育成拠点を整備する。
○ 目的:後継者不足や技術継承の課題を解決し、織物産業の復興を目指す。
3. しいたけ栽培技術の確立(岩手県久慈市)
○ 事業内容:ICTを活用したハウス内温度・湿度・CO2濃度などの監視制御システムを導入し、木質バイオマスエネルギーを使用するハウス栽培を実施。
○ 目的:品質・収穫への影響を軽減し、地域資源を活かした持続可能なしいたけ栽培を確立する。

結論
ローカル10,000プロジェクトは、地域密着型事業を通じて地域経済の循環を促進し、新たな雇用を創出する取り組みです。長野県佐久市望月地区のどぶろく醸造事業や山梨県都留市の織物産業復興事業、岩手県久慈市のしいたけ栽培技術の確立など、具体的な事例が示すように、地域資源を活用した持続可能なビジネスモデルが各地で展開されています。今後も、地域の活性化と持続可能な発展に向けた取り組みが期待されます。

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