スタートアップ育成5か年計画

スタートアップ育成5か年計画

2022年1月に岸田総理が「スタートアップ創出元年」を宣言し、同年11月に官民によるスタートアップ集中支援の全体像が取りまとめられました。これを基に「スタートアップ育成5か年計画」が策定され、人材、資金、オープンイノベーションを計画の柱として掲げ、網羅的に課題を整理しています。

計画の柱と目標
● 人材・ネットワークの構築:
○ メンターによる若手人材支援
○ 起業家教育の拡大
○ 大学等の技術シーズの事業化支援
● 資金供給の強化と出口戦略の多様化:
○ ベンチャーキャピタルや個人からの投資拡大
○ M&Aの促進によるエグジット戦略の多様化
○ 未上場株のセカンダリー市場の整備
● オープンイノベーションの推進:
○ 大企業とスタートアップとの連携拡大
○ オープンイノベーション促進税制の導入
○ 公共調達等を通じた事業拡大
これらの柱に基づき、スタートアップの起業数増加、規模の拡大を目指し、ステージ毎の支援を展開します。

具体的な支援施策
人材・ネットワーク面での支援
● メンターによる若手人材支援
○ 若手起業家を支援するためのメンタープログラムの拡充。
● 起業家教育の拡大
○ 高校生や大学生を対象とした起業家教育プログラムの拡充。
● 海外における起業家等育成プログラム
○ 海外での育成プログラムを実施し、グローバルなネットワークを構築。
資金供給の強化と出口戦略の多様化
● 経営者保証を徴求しない新たな創業時の信用保証制度
○ 起業家が経営者保証を提供せずに融資を受けられる制度の導入。
● スタートアップへの再投資に対する非課税措置
○ スタートアップへの再投資に対して税制優遇措置を提供。
● ディープテック・スタートアップ支援
○ ディープテック分野のスタートアップ企業に対する研究開発支援の強化。
オープンイノベーションの推進
● 大学発の研究成果の事業化支援
○ 大学の研究成果を事業化するための支援プログラムを提供。
● オープンイノベーション促進税制の導入
○ M&Aを促進するための税制優遇措置を導入。
● 公共調達の促進
○ スタートアップ企業が公共調達に参加しやすくするための制度整備。
予算と投資
● 総予算:
○ 2024年度補正予算: 約1兆円
○ 2025年度補正予算: 約2,300億円+関連事業総額約1兆円
○ 2026年度当初予算: 約500億円+関連事業総額約1,000億円
これらの予算を活用し、スタートアップ企業の成長を支援するための多岐にわたる施策が実施されています。

まとめ
「スタートアップ育成5か年計画」は、日本のスタートアップ企業が国際的に競争力を持ち、持続的な成長を遂げるための包括的な支援プログラムです。人材育成、資金供給、オープンイノベーションの推進を柱とし、多様な施策を通じてスタートアップ企業の成長を支援します。政府のこうした取り組みを通じて、日本のスタートアップエコシステムがさらに強化され、経済成長に寄与することが期待されています。

関連記事一覧

  1. 国の政策をいち早くおさえるビジネスオーナーマインド(国土交通省編)

  2. 平成29年度 事業承継補助金

  3. 銀行買収リスク

  4. デジタル技術を活用した地方の社会課題解決:結婚・出産・子育て支援

    デジタル技術を活用した地方の社会課題解決:結婚・出産・子育て支援

  5. テクノロジーと伝統の融合 – NTTドコモが挑む名護市での新たな再保険事業

  6. フラワーアートイラストレーターの騎手 Crace Ciao氏

リンクテキスト ビジネスオーナー向け商品はこちら