日本でファミリービジネスという響きを聴くと、なにやら三ちゃん農業的なイメージもあうかもしれない。とんでもない勘違いだ。世界的に見ればファミリービジネス(代々受け継がれるビジネス)は、立派なビジネス道として誉高いことなのである。
当社は昨年のhorasis(www.horasis.org)でFamily Business in Asiaというパネルディスカッションに参加した。シンガポールやタイ、ミャンマーなどのファミリービジネス継承者たちと悩みなどをディスカッションしあった。
現地ではいわゆる地元の名士の扱いの彼らにも、人間的な悩みがある。それが、「事業が自分がやりたいことではなかった」ということと「時代にあわせたビジネスモデルの必要に迫られる」という2点。
ミャンマーから参加した女性はアメリカでMBAを取得、現地の金融関連会社で働いていたところ、父親からの指名で、新しく作るIT系子会社の社長を引き受けざるを得ずやむなく帰国、就任したという。自称まったくのIT音痴だが、悩みを共有できる場はあるそうだ。それがファミリービジネスネットワークと呼ばれる世界的に広がる団体である。
日本にもその支部があり、年に1回の大きなイベントが2017年11月にも開かれた。世界的なファミリービジネスのトレンドなどの基調講演のほか、業種の違うファミリービジネスオーナーのパネルディスカッションなど大変興味深いものだった。
株式公開をせず、ファミリーで株式を保有し続けるのは、日本においては大変難しいところがあるものの、そのような同士の集まりがあることは問題の突破口にもどうやらつながっているようだ。