地域活性化企業人制度とは

地域活性化企業人制度とは

地域活性化企業人制度は、三大都市圏に所在する企業と地方自治体が協力し、企業の社員を一定期間(6か月から3年)地方自治体に派遣する制度です。この制度の目的は、企業の専門的なノウハウや知見を活かし、地域課題に対応することで地方の活性化を図ることです。総務省管轄ですが、とてもいい制度ですので、地域連携を考えた中小企業の新規事業やスタートアップの立ち上げにも有用に働く可能性があります。

制度の概要
地域活性化企業人制度では、企業と地方自治体が協定を結び、社員を地方に派遣します。派遣された社員は即戦力として地域課題に取り組み、企業の視点やスキルを地方に提供します。この制度には、企業派遣型と副業型の2種類があります。
1. 企業派遣型:
o 企業と自治体が協定を締結。
o 派遣期間中の社員の給与等の経費は国が一部負担(上限年間560万円)。
o 受入自治体での勤務日数が月の半分以上。
2. 副業型:
o 企業に所属する個人と自治体が協定を締結(フリーランスは対象外)。
o 勤務日数・時間が月4日以上かつ月20時間以上。
o 受入自治体での滞在日数が月1日以上。
o 副業期間中の経費(報償費等上限100万円+旅費上限100万円)。
制度のメリット
企業にとって:
• 社会貢献の新しい形。
• 社員の多彩な経験を積ませることで人材育成・キャリアアップが可能。
• シニア人材の新たなライフステージを発見。
社員にとって:
• 多彩な経験を積むことで自己研鑽・キャリアアップ。
• 社会貢献の機会を得る。
自治体にとって:
• 民間企業の専門知識・業務経験・人脈・ノウハウを活用。
• 外部の視点や民間の経営感覚を取り入れた取組が展開可能。
制度の利用方法
地域活性化企業人制度を利用するには、以下の手順を踏みます。
1. 企業と自治体のマッチング:
o 地方自治体が取り組みたい課題と企業の人材活用ニーズを一致させる。
2. 協定書の作成と締結:
o 具体的な勤務条件や業務内容、人選等を企業と自治体で調整し、協定書を作成。
3. 起業人の派遣開始:
o 派遣期間は6か月以上3年以内。
活用事例
株式会社JTB × 島根県隠岐の島町:
• 観光振興のため、ジオパーク周遊コンテンツを開発。
• 女優を活用したCMを隠岐で撮影し、JTB公式YouTubeチャンネルで公開。
合同会社DMM.com × 福岡県大川市:
• LINEデジタル総合窓口を開発し、オンラインでの行政手続きが可能に。
• 市民向けのデジタル体験会を開催し、新たな働き方を実現。
よくある質問
Q1. 地域活性化企業人を派遣できる自治体は?
• 3大都市圏外の市町村、および条件不利地域や人口減少率が高い市町村(全1,432市町村)。
Q2. 派遣期間中に派遣元企業から派遣する者を変えても良いか?
• 可能。ただし、派遣期間が継続して6か月以上である必要があります。
Q3. 支店や支社から派遣することは可能か?
• 可能。ただし、受入自治体の区域に勤務する社員は対象外です。
お問い合わせ先
総務省地域力創造グループ地域自立応援課 電話:03-5253-5392 メール:chiikikasseika1@soumu.go.jp
この制度を活用することで、企業と地方自治体が協力し、地域の魅力を引き出しながら活性化を図ることができます。企業の社会貢献活動としても、社員のキャリアアップとしても有益なこの制度をぜひ活用してみてください。

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