海の上で船が流されないようにするには、アンカーを下ろす必要がある。しかし、実際に行うとなると、アンカーの上げ下げなどは煩わしいもの。そんな煩わしさを無くし、ひとりでも簡単にワンタッチでポジションキープ!
トヨタ独自の操船支援システム「TVAS(トヨタバーチャルアンカーシステム)」にロックオン。
操船を驚くほどカンタンにしたTVAS
クルージング、フィッシング、ダイビングなど、海に囲まれた日本ではさまざまなマリンレジャーを楽しむことができる。
しかし海上では風や潮流の影響を受けるため、操船は意外と難しい。船舶免許を取ったばかりの方ならなおさらだ。
そんな難しい操船をなんと「ボタンひとつ」でカンタンなものにしてしまうのが、トヨタ独自の操船支援システム「TVAS(トヨタバーチャルアンカーシステム)」だ。
「停船から花火まで、自信を持ってオススメします!」
【バーチャルアンカーモード】
クルーザーオーナーにとって避けては通れないのが、ハーバーへの停船だ。
「出港や帰港のときは、ロープやフェンダー(バースなどで船の側面が傷つかないように保護する道具)の出し入れが必要なんですが、バーチャルアンカーモードを使うとクルーザーをバースから少し離れた広いところに停めてそれらを出し入れする際に、人手が少なくて済むんです」と開発スタッフの山崎氏と伴氏は語る。
もちろんこれだけではない。「バーチャルアンカーモード」は、花火を見るときにも最適だ。
「バーチャルアンカーモードはGPSによって船を一定の位置に留めておけるので、細かい船の位置調整に煩わされることなく夜空に輝く花火を楽しむことができるんですよ。それに、自動的に風や潮流に合わせて船首の向きを調整してくれるので、風や潮流の抵抗が最小限で済みます。だから、他の停船システムと比べて少ないエネルギーで効率的に停船できるため、静かで燃費もいいんです」
また、アンカリングをバーチャル化させたことによって、実際にアンカーを上げ下げしなくてはならない煩わしさがなくなっただけではなく、水深やサンゴなどに関係なく好きなところにアンカリングができるようになった。
底釣りや流し釣りの頼れるサポーター
釣り好きの方の中には、底釣りや流し釣りを楽しんでいる方もいるだろう。そんな方たちにもTVASはオススメだ。
先程の「バーチャルアンカーモード」は、ポイントを固定して行う底釣りにももってこいだ。
また、流し釣りには「バーチャルスパンカーモード」と「バーチャルコンパスモード」が最適。
【バーチャルスパンカーモード&バーチャルコンパスモード】
「バーチャルスパンカーモードは、風向きを感知して、船首を自動的に風上方向に合わせてくれるので、船を流しながら行う流し釣りが簡単にできてしまいます。風と潮流の向きが異なる場合は、バーチャルコンパスモードで船の向きを一定にすることで、釣り糸をまっすぐ下にたらすことができるようになります」
とにかくわかりやすく丁寧に、海に出たときにどのような形でTVASが役立つか説明してくれた山崎氏と伴氏。連携もばっちりに映る。
山崎氏や伴氏にサポートされ、さまざまなシーンで活躍するTVAS。使いこなせばまさに海はあなたのものだ。
●これも見逃せない! TDA(トヨタドライブアシスト)
ジョイスティックを操作するだけで、直観的にポーナムを操作することができるトヨタ独自の画期的な操船システム、それがTDAA(トヨタドライブアシスト)だ。 ジョイスティックを前に倒せば前に進み、真横に倒せば真横に平行移動し、斜めに倒せば船首の向きを変えることなく斜めに平行移動する。さらに、回転させたい方向にノブを回せばその場でポーナムが回転する。また、ノブを大きく倒せば大きく移動し、小さく倒せば小さく移動するので、微妙な調節も思いのままだ。 マリーナ内での離着岸は、普通なら潮の流れや風向きを読みながら行う必要があるのだが、TDAならジョイスティックの操作だけで簡単安全に離着岸が可能になる。 |
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アイキャッチ写真・写真提供:(c)中村 俊哉