トヨタマリンスタッフに聞く! 「愛艇を影から支えるサービススタッフ」

どんな立派なものでも長く使っていると、手入れや補修が必要になるもの。クルーザーも例外ではなく、そんなときに頼りになるのがサービススタッフの存在だ。関東と関西を担当する2名のサービススタッフへの取材から、末永く愛艇に乗るためのヒントを探る。

 

サービススタッフ

 

現地現物の精神が支える愛艇との時間(大梛昇 氏)

故障を「予防」することが最も大切

東日本地区で主にアフターサービスや修理を担当している大梛氏。サービススタッフとして日々意識していることは、故障を未然に防ぐためのメンテナンスを第一に考えることだ。

「初回点検をきっちりと行うことによって、不具合を消していくことが重要なんです」という言葉からは、常に万全な状態でポーナムを渡したいという思いが感じられる。

それもそのはず。当然、故障になればしばらくの間クルーザーに乗ることはできなくなってしまう。万が一豊富なマリンレジャーが楽しめる夏に故障が起きてしまったら、マリンライフを楽しむことができなくなってしまう。

だからこそ、メンテナンスにあたるときは常に真剣そのものだ。「とにかく足を運んで、現地で見ることを常に意識しています」。

トヨタの現地現物の精神が脈々と受け継がれているようだ。

 

診断情報の蓄積がもたらす、高いサービスの質

他にもトヨタならではのものがある。診断情報のデータベース化だ。

「販売したポーナムの情報だけでなく、オーナーの保有艇ごとにカルテを作成しています。クルーザーの点検や部品交換の履歴などのデータまで蓄積することで、常にクルーザーの健康状態を把握することができるんです。こうすることで、過去の情報を元に診断ができたり、マリーナのメンテナンススタッフなどに的確に指示が出せたりできているんです」。

クルーザーカルテにはもうひとつの利点がある。

「あるクルーザーを診断したときに傷みが見つかった場合、同じような使用状況のクルーザーに対しても、すぐに診断やメンテナンスの対応ができています」。

このおかげで、ポーナムでは不具合や故障が起こるケースが少なく、オーナーからも大変喜ばれている。

 

少しでも長く愛艇との時間をすごしてもらうために

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写真提供:(c)大梛 昇

大梛氏が船の世界に入ったきっかけは、大学時代に友人がディンギー(ヨット)を始めたことだった。昔から体を動かすことが好きだった大梛氏は、思わず共同でディンギーを購入し、夏はディンギーを満喫していたという。卒業後も猪苗代湖や浜名湖へ遠征し、ディンギーと共に休日を過ごしていた。その後大梛氏はマリーナに勤めることになるのだが、その時の楽しかった思い出が船の世界に大梛氏を導いたのだろう。

「自分が学生時代にマリンライフを楽しんでいたので、オーナーにもそんな楽しい時間を少しでも長く愛艇と過ごしてほしいと思っています。だから、メンテナンスを常に第一に考えています」。

トヨタのサービスは、高い技術力だけではなく、大梛氏のような船を愛するスタッフの心によって支えられているに違いない。

 

オーナーとの信頼関係が支えるポーナムの安全性(松田功 氏)

顧客を信用することが第一

西日本地区でポーナムのアフターサービスや修理に携わってきた松田氏の言葉で特に印象的だったのは、「顧客を信用することが第一なんです」というものだった。

松田氏は現地現物、迅速、直接対話を、アフターサービスや修理をする上での3本の柱としている。

「自分の名刺には携帯電話の番号を載せていて、常にオーナーからの依頼に対応できるようにしています」。

一見簡単なことのように思えるこのような小さな配慮が、迅速なアフターサービスや修理対応に対する信頼を生んでいる。

「オーナーから依頼を受けてポーナムを見に行ったとき、不具合が見つからないこともあります。そういうときは必ずオーナーともう一度じっくり話をします。不具合が生じた時のシーンを100%理解するためです」。

スペシャリストになればなるほど、自分の知識が技術に奢りがちになるものだが、松田氏は常に謙虚に、オーナーとの対話を忘れない。だからこそ、ポーナムはいつでも万全のコンディションに保つことができているのだと痛感した。

 

修理は情報共有の場

「意識しているのは修理ということではなく、オーナーと情報を共有することです。だから、船の状態を知ってもらうために、修理する箇所だけではなく、壊れていないところもチェックします」。

松田氏がこう語るように、オーナーはメンテナンスや修理のたびに自身のポーナムの状態をより正確に把握できるようになってくる。オーナー自身が知識を蓄積することは、結果としてポーナムで安全なマリンライフを楽しむことに繋がっていくのだ。

 

アフターサービスから開発へのホットライン

松田氏は修理やアフターサービスの際に気が付いたことやオーナーからの言葉は必ず開発部門に情報をフィードバックしているという。

「たとえば私の故郷の隠岐の島まで揺れずにかつ高速で行ける船のような、よそにはまねのできない新機能の提案などを開発にフィードバックしています」。トヨタのサービススタッフの強みは洗練された知識や技術だけではなく、開発との強い連携にあるのだと思う。

 

怖さを知るからこそ伝えられる海との付き合い方

松田氏が安全に対して強いこだわりを持っているのは、海の怖さを知っているからだ。

「子供の頃、父親に海に連れて行ってもらえなかったことがあったんです。そのときは意味が分からなかったんですが、自分の子供を海へ連れて行くようになって、海には楽しさだけではなく怖さもあることに気づきました」。

自身の経験とサービスを通して、より安全な海との付き合い方をオーナーに伝えたいという松田氏の思い。そんな印象が深く残ったインタビューだった。

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写真提供:(c)松田 功

アイキャッチ写真・写真提供:(c)中村 俊哉

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