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銀行買収

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銀行買収

銀行の買い取りに関して著名な経営コンサルタントとして知られるロビン・トレハン氏は、「孫子の兵法」から「全ての戦いは、始まる前に勝敗は決している」を引用し、銀行や金融機関を買収することも同じだと指摘しています。

トレハン氏は、買収する銀行には思わぬ価値がある場合があり、その価値を活用するには買収する人が価値に気が付くことに掛かっていると言います。

トレハン氏が提唱している銀行買収のステップがあります。これは、買収する人がターゲットとなる銀行を決め、買収する人の初期の判断基準を満たしている場合のステップです。

1)デューデリジェンス*にかけるための基本的な条件をオファーする。

2)申し込みが受け入れられた場合、

ア)最終的な契約
イ)デューデリジェンス

  を行うために有能な法律事務所と会計事務所と契約する。

3)デューディリジェンスを行っている間に、以下の重要事項を把握しておく必要があります。

・過去3年の監査済み金融ステートメントのコピー

・その銀行は自社ビルか賃貸か? もし、賃貸であれば残りの契約期間について

・帳簿上の貸付金について「タイプ」「利率」「時期」についての明細

・銀行自身が行っている投資案件について「タイプ」「利率」「時期」についての明細

・帳簿上の預金額について

・銀行の顧客の簡単な概要

・誰が銀行の経営をしていて、銀行の役員はどんな人で構成されているのか?

・株主リスト

・CAMELS-Capital**に関する分析

4)銀行売買契約締結後に買主は第三者の金融機関に売買金額を預託します。

5)銀行売買契約締結後、5-10日以内に買主は規制当局の認可をうけます。

6)銀行売買契約が完了し売買金額を受け取ったら、銀行の売主は株主から譲渡の承認を速やかに得ます。

7)買主はその間に規制当局の許可を得なければなりません。

8)銀行買収に際して、可能な限り現在の経営陣が2,3カ月はそのまま銀行に残って業務を続けることが望ましい。素晴らしい銀行買収取引は、往々にしてこのようにして生まれることがあるからです。原理に立ち返るならば、良い買収には長い時間と多くの困難な仕事がつきものです。

トレハン氏が、3)で指摘されていることを銀行を買収したい人が個人で行うのは困難であると、容易に想像できます。特に日本人が海外の銀行を買い取ろうとした場合、言語障壁や法律用語の難解さや手続きの複雑さなどハードルは高いと言わざるを得ません。

極めて専門的な知識と交渉能力が必要とされる銀行買収には、専門のエージェントと契約することをお勧め致します。エージェントのご相談にも応じておりますので、お気軽にこちらからお問い合わせ下さい。

*デューディリジェンス(Due Diligence) 直訳すると、「必須の努力」となるが、投資やM&A、不動産購入などの場合に買主が行うべき対象企業や物件などに対する法務、財務、ビジネス、人事、環境といった様々な観点から行う調査のこと。

**CAMELS-Capital 米国の預金金融機関監督に携わる各当局において用いられている評定制度で、CAMELS とは自己資本充足度(Capital Adequacy)、資産の質(Asset Quality)、経営管理(Management)、収益力(Earnings)、流動性(Liquidity)、市場リスクに対する感応度(Sensitivity to Market Risk)の各評定項目の頭文字をとったものです。このCAMELS では、評定は1(良好)〜5(不良)の5 段階で下され、3以下は要改善評価となります。また、各項目の総合評価もなされます。

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